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イスラエル・キブツ発
“コウシャ”とユダヤ教
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萩原 均 |
イスラエルは中東に位置する四国くらいの面積の国です。ユダヤ教徒を中心にイスラム教徒やキリスト教徒など様々な宗教を信仰する人々が住んでいます。また砂漠の民ベドウン族やドルーズといわれる少数民族も住んでいます。イスラエルというとテロ連想される方も多いと思いますが、砂漠や海抜下400mの死海、地中海、紅海など多様な自然環境をもつ温暖な国でもあります。また食料の自給率の高い農業牧畜国の一面もそなえています。
ところで人口の過半数を占めるユダヤ教徒は、“コウシャ”と呼ばれる食事規定があります。これはとても厳密な規定で正確なことは、ラビと呼ばれるユダヤ教の司祭に聞かないと私のような無宗教の人間には、きちんと内容をつかめませんが大変興味深いので、かいつまんで説明いたします。
まず豚はあらゆる加工品を含め一切食べません。食用の肉は、羊や牛あるいは魚と云うことになりますが、魚は鱗がない魚は食用不可ですのでウナギは食べられません。また肉と乳製品は同時に摂ってはいけないのでステーキのディナーのあとにコーヒーにミルクを入れて一服といったことも規定に引っかかります。
料理をする際もお肉用の鍋が決まっていますし、お皿も同様で肉料理を出す皿には、チーズなどの乳製品には使えません。マックのチーズバーガーはまったく駄目ということになります。
とはいえ本当に厳密にこの規定をまもる人は信仰の厚いユダヤ教徒に限られており、友人のユダヤ人の中には豚肉のハムが好物だという人もいます。冬でも温暖なイスラエルは食べ物の傷みも早いのでしょう。職場のランチにお弁当を持ってくる人は皆無といって良いほどです。コウシャを提供するレストランは、特別なマークがあり、お昼時ともなれば敬虔なユダヤ教徒たちで繁盛しています。
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